検索結果で上位表示させたい場合、検索エンジン(主にGoogle)の考え方や価値基準を理解することはとても重要です。
SEO対策のテクニックも結局はGoogleに評価されるための手段であり、理由や目的を理解することでよりGoogleが求めるユーザーファーストなコンテンツ作成につながります。
本記事では、GoogleがWebサイトを評価する際の重要な概念のひとつである「Needs Met(ニーズメット)」について解説します。
Needs Metを高め、検索エンジンから評価を得るためのポイントについて、ぜひ参考にしてください。
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目次
NeedsMetとは
Needs Metとは、直訳すると「ニーズに合致している」という意味。
Googleが公表している検索品質評価ガイドラインに表記されている評価概念のひとつで、ユーザーのニーズ(需要)を満たしているかどうかを判断し、クエリ(キーワード)とコンテンツの内容に相違がないかを評価するものです。
最新の検索品質評価ガイドラインにはなんと119回も「Needs Met」という言葉が出現しており、GoogleがどれだけNeeds Metを重要視しているかがうかがえます。
本章ではまず、Needs Metへの理解を深めるため、Google検索品質評価ガイドラインやランキング(検索結果の順位付け)との関係をくわしく解説します。
検索品質評価ガイドラインで重要視されている評価要素
検索品質評価ガイドラインとは、 Googleが検索結果の最適化のために採用した外部評価者へ向けた、検索結果の品質を評価するためのガイドライン(マニュアル)のこと。
検索品質評価ガイドラインに記載されている評価基準は、大きく分けると下記のとおり。
- Need Met(ユーザーのニーズと一致させる)
- Page Quality(コンテンツの品質)
- ユーザービリティ(使いやすさ)
繰り返しになりますが、Needs Metはユーザーのニーズを満たしているかを判断するものです。
実際の検索品質評価ガイドラインには、Needs Metについて下記のような表記があります。
There are many different kinds of queries and results, but the process of rating is the same: Needs Met rating tasks ask
you to focus on user needs and think about how helpful and satisfying the result is for the users .
クエリ(検索キーワード)や検索結果にはさまざまな種類がありますが、順位決定のプロセスは同じです。
Needs Metの評価で重要なのは、ユーザーのニーズ(需要)に焦点を当てること、またその結果がユーザーにとってどれだけ有益で満足のいくものであるかです。
(※筆者意訳)
つまり、コンテンツ(記事ページなど)がクエリ(ユーザーが検索窓に入力した語句、キーワード)の検索意図に合致した内容になっているか、コンテンツ内でユーザーの疑問・問題・欲求を解決できているかなどが評価の重要なポイントとなります。
ちなみに、Page Qualityとはコンテンツの品質のことで、主にE-E-A-Tが評価の基準となります。
E-E-A-Tとは、経験・専門性・権威性・信頼の4つの要素のことで、これらを満たすことで良質なコンテンツと評価される大きな手助けとなります。
ユーザビリティは使いやすさのこと。とくにモバイルユーザーを対象とした使いやすさ・読みやすさが重要視されます。
スマホなどのモバイル端末で表示された際のページ表示速度や画像サイズが最適か、コンテンツの視認性や操作のしやすさが配慮されているかなどを意識しましょう。
NeedsMetとランキングの関係
Needs Metで高い評価を受けた場合、ランキング(検索順位)にも好影響を与えると考えられます。
ただし、ランキングはNeeds Metだけで決定するわけではなく、E-E-A-TやYMYL、Page Quality(コンテンツ品質)などのさまざまな要素が複合的に評価されて検索順位が決定します。
つまりNeeds Metだけを満たしていても、必ずしも上位表示されるわけではないのですね。
とはいえ、Needs Metはコンテンツ制作のうえでもっとも重要な要素のひとつであることは間違いありません。
どんなに検索エンジンからの評価が高い強力なドメインのもとで記事を書いたとしても、キーワードの検索意図と合致しない、ユーザーが求めていない内容であれば、上位表示は難しいでしょう。
ユーザーの需要を満たすこと、つまりNeeds Metはコンテンツ制作の基本中の基本であり、コンテンツSEOにおける最重要項目なのですね。
NeedsMetの評価
Googleの検索品質ガイドラインでは、Needs Metの評価の度合い(コンテンツがいかにユーザーの需要を満たしているか)を以下の5段階で定めています。
Fully Meetsがもっとも高い評価で、Fails to Meetがもっとも低い評価です。
Fully Meets
Fully MeetsはNeeds Metのなかでももっとも高い評価で、以下のような条件を満たすページが該当します。
- 完璧で完全な答えや解決策を返している
- ほぼすべてのユーザーが満足する
- クエリに明確なニーズが存在する
Googleの検索品質ガイドラインには、Fully Meetsについて下記のように記載されています。
Fully Meets (FullyM)
A special rating category, which only applies to certain queries and results. All or almost all users would be immediately and fully satisfied by the result and would not need to view other results to satisfy their need.
特定のクエリや検索結果にのみ適用される、特別な評価カテゴリーです。検索ユーザーのすべてまたはほとんどのニーズを満たすことができます。ユーザーはすぐに十分な満足を得ることができ、他の検索結果を見る必要はありません。
(※筆者意訳)
つまり、検索したクエリ(キーワード)に対して、大部分のユーザーが満足するような完璧な回答をおこなっているコンテンツ、あいまいさがなく、求められている答えを即座に提示しているコンテンツがFully Meetsの評価になります。
ちなみに、クエリによっては検索意図が1つではなく複数あるものが存在します。
このような場合、1つのコンテンツでニーズを満たすことは不可能であり、そもそもFully Meetsが存在しないことになります。
Highly Meets
Highly MeetsはFully Meetsの次に高い評価で、以下のような条件を満たすページが該当します。
- ほとんどのユーザーのニーズを満たしている
- 情報が正確で信頼性が高い
- 高品質・権威性が高い・面白い・情報鮮度が高い、のいずれかまたは全部を満たしている
Googleの検索品質ガイドラインには、Highly Meetsについて下記のように記載されています。
Highly Meets (HM)
Very helpful for many or most users. Some users may wish to see additional results.
多くのユーザー、またはほとんどのユーザーにとってとても有用。一部のユーザーは、さらに別の検索結果を確認したいと望む場合があります。
(※筆者意訳)
一部のユーザーは検索結果に満足せず、他の情報を求める場合があるものの、ほとんどのユーザーが満足するコンテンツがHighly Meetsの評価になります。
ページ品質や読み物としての面白さも大切なポイントで、ニュースサイトなどではとくに情報の正確さと信頼性の高さが重視されます。
Moderately Meets
Modertely Meetsは平均的な評価であり、以下のようなページが該当します。
- 多くのユーザーのニーズを満たしている
- ニーズにおおよそ合致しているが不十分である
- 情報がやや古かったり、信頼性の低いソースが含まれる
Googleの検索品質ガイドラインには、 Moderately Meets (MM) について下記のように記載されています。
Moderately Meets (MM)
Helpful for many users OR very helpful for some users. Some or many users may wish to see additional results.
多くのユーザーに役立つ、または一部のユーザーにとても役立ちます。一部のユーザーまたは多くのユーザーは、他の異なる検索結果を求めます。
(※筆者意訳)
悪い評価ではないものの中程度の評価で、コンテンツに満足せず離脱するユーザーも多いということですね。
情報が古かったり信頼性が不十分だとイナスポイントとなるため、E-E-A-Tやフレッシュネスを意識することが大切です。
Slightly Meets
Slightly Meetsの評価はクエリ(キーワード)の解釈がズレているなどの理由で、少数のユーザーのニーズしか満たせていないページが該当します。
- 情報が古い、不正確な情報がある
- クエリの解釈が広すぎる、または限定的すぎる
- タイトルと内容が合っていない
Googleの検索品質ガイドラインには、Slightly Meetsについて下記のように記載されています。
Slightly Meets (SM)
Helpful for fewer users. There is a connection between the query and the result, but not a strong or satisfying connection. Many or most users would wish to see additional results.
少数のユーザーに役立ちます。クエリと検索結果に関連性はあるものの、ユーザー満足のいく情報ではありません。ほとんどのユーザーが、別の検索結果を参考にしたいと思います。
(※筆者意訳)
つまり、キーワードの検索意図とコンテンツに書かれている内容が合っていないケースが多いといえます。
上位表示を狙うためには再び検索意図の調査をし直し、大幅なリライトが必要となるでしょう。
Fails to Meet
Fails to MeetはNeeds Metの評価のなかでも最低の評価。
Failsは失敗の意味であり、下記のようなページが該当します。
- 検索意図と無関係なコンテンツ
- 事実でない内容、明らかに間違った情報が書かれている
- 有害なページやスパムサイトなど、ユーザーに損失を与えるコンテンツ
- ポルノコンテンツ(検索意図にない場合)
- 不快、攻撃的なコンテンツ(検索意図にない場合)
Googleの検索品質ガイドラインには、Fails to Meetについて下記のように記載されています。
Fails to Meet (SM)
Completely fails to meet the needs of the users. All or almost all users would wish to see additional results.
ユーザーのニーズにまったくもって応えられていません。すべての、あるいはほぼすべてのユーザーが、別の検索結果を望んでいます。
(※筆者意訳)
大多数またはすべてのユーザーのニーズを満たすことができない、役に立たないコンテンツがFails to Meetと評価されます。
意図的ではなくユーザーのニーズの解釈を間違ってしまっている場合も該当しますが、意図的にユーザーに損失を与えようとするスパムや有害コンテンツ、モラル的に問題のあるコンテンツなども、もちろん低評価になるでしょう。
NeedsMetで評価されるためのポイント
Needs Metで評価されるために意識するべきポイントを解説します。
検索意図を満たしている
Needs Metでは、クエリ(検索キーワード)の検索意図を満たしているかが重要なポイントとなります。
検索意図とはユーザーがそのキーワードを検索した目的のことであり、ユーザーが検索によって解決したい問題・疑問・欲求のこと。
つまりユーザーのニーズそのものであり、Needs Met(ニーズを満たす)には検索意図の把握が必要不可欠です。
検索意図を把握する方法には下記のようなものがあります。
- すでに上位表示されている競合ページを調査
- 関連キーワードや再検索キーワードを調査
検索意図やその調査方法については、下記の記事にくわしく解説しています。
検索意図はSEOにおいて重要度No.1! その理由や調査方法も紹介
- WordPress運営のコツ
また、クエリはその検索意図によって、以下の4種類に分類されます。
クエリの種類 | 検索意図 | 例 |
---|---|---|
Know クエリ | 意味や方法を知りたい |
|
Go クエリ | 特定の場所やWebサイトに行きたい |
|
Do クエリ | 実際にやってみたい、行動したい |
|
Buy クエリ | 商品などを購入したい、登録したい |
|
クエリの種類によって必要とされるコンテンツの内容は変わります。
たとえば、Buyクエリで商品の購入方法を紹介している場合、実際に商品を使った感想・第三者の口コミ情報・類似商品との比較・メリットやデメリットなどを紹介し、公式サイトや通販サイトのリンクを貼る内容になるでしょう。
Knowクエリで〇〇〇する方法が知りたいなら、くわしい手順を画像つきでくわしく紹介し、間違いやすいポイントやよくある質問などを含めるとユーザーの役に立つでしょう。
検索意図を念入りに調査し正確に把握することが、Needs Metの評価を高めるもっとも重要な要素となります。
E-E-A-Tを満たしている
E-E-A-T(イーイーエーティ、またはダブルイーエーティ)とは、経験・専門性・権威性・信頼のこと。
検索エンジンがコンテンツの品質を評価するための、とても重要な基準のひとつです。
E-E-A-T |
---|
|
以下の2つのブログ記事を想像してください。
- 実際には使ったことのない椅子について書いた雑記ブログの記事
- 人間工学の研究者が実際に2年間使用した上で書いたおすすめの椅子の記事
おそらくほとんどの人が後者(2)のブログのほうが説得力があると感じるでしょう。
専門知識のある研究者が実際の体験をもとに書いた記事なので、十分に信頼できますよね。
E-E-A-Tが高いコンテンツは信頼に値する質の高い情報であり、ユーザーにとって有益であると判断されます。
ユーザーの役に立つ、ニーズを満たすコンテンツはNeeds Metでも良い評価を得られるはずです。
なお、E-E-A-Tは以前まで「E-A-T(専門性・権威性・信頼性)」と表記されていました。
2022年12月15日にGoogleの検索品質評価ガイドラインが更新された際に、E-A-TにExperience(経験・体験)を加えE-E-A-Tに変更されています。
E-E-A-Tについては、下記の記事にもくわしく解説しています。
【最重要】E-A-TがSEOに与える影響と、E-A-Tを高める方法を徹底解説!
- WordPress運営のコツ
モバイル対応している
Googleの検索品質評価ガイドでは、モバイルユーザーの利便性を重要視しています(モバイルファースト)。
総務省の2020年の調査によると、インターネット利用端末はスマホが68.3%でパソコンよりも高くなっています。
コンテンツ作成はモバイル端末で見られることを前提とするべきで、モバイルフレンドリーなWebサイトはNeeds Metでも好影響です。
表示速度の最適化、読みやすい文字の大きさ、操作しやすいデザインやレイアウトなど、モバイルユーザーが使いやすく情報を見つけやすいコンテンツにしましょう。
NeedsMet まとめ
Needs Metとはユーザーのニーズを満たしているかの評価基準のことで、Googleが定めている検索品質評価ガイドラインに頻出する言葉です。
Needs Metを高めるためには、クエリ(キーワード)の検索意図を正しく把握し、ユーザーが求める情報をより最適な形で提供することが重要。
本記事で紹介した内容を参考に、ユーザーを満足させることができる質の高いコンテンツを作成しましょう。
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